全地よ、主に向かって喜びの声をあげよ。天国をめざして咲きほこる桜
すでに前回マダムがこのコラムに桜のことを書かれていました。そして、創造主なる主に感謝されていましたね。
私も幸いなことに何年ぶりかで桜の時期に故郷に帰ることができました。これはわが故郷、東京国立の桜です。はじめのころは花冷え花曇りでしたが、少し暖かくなって、人々で賑わいました。
息を飲むような光景です。出るにも桜、入るにも桜、どこにいっても桜だらけです。
俳句を嗜む友人が桜に関する有名人の俳句を抜粋してきてくれました。芭蕉のころから詠まれています。
春の夜は桜に明けてしまいけり 芭蕉
みかぎりし故郷の桜さきにけり 一茶
咲き満ちてこぼるる花もなかりけり 高浜虚子
どのみちもさくらさくらミルフィーヌ 山本直美
そして、俳句を嗜んでいた故父の句を思い出しました。
スカートで受ける花屑 児幼し
父が愛した風景だと嬉しくなります、
松山に行きました。 松山城の桜がまたすごいものでした。生きることの喜びを叫んでいるかのようでした。まさに詩篇100篇の「全地よ、主に向かって喜びの声をあげよ」という咲き方でした。
四国の方が南なのに、東京より遅い開花を不思議だと思いました。そして教えてくださる方がいました。桜はある程度の寒さを通ってのみ開花するのだそうです。四国は東京よりも暖かくそのため寒さを通るのが遅くなり、咲くのが遅かったのだというのです。寒さがあっての開花なのだそうです。
なにしろ、この毎日のサクラの風景攻めはこの世のものではないです。
でも天国はこれには比べものにならないくらい美しいのかもしれません。
またまた思いは天国へ。
竹下弘美