勝ちたくない

昨日は子供が通う学校でファンドレーズンがあり、子供達は校庭の周りを走った分だけ、学校に寄付がなされ、一番多く走った子供には賞品が与えられるという企画があった。家内が言うには長男も長女も一生懸命にがんばって走っていたらしい。

そして、昨晩の夕食時。静寂とか沈黙とかと程遠いこの時間なのだが、私が長男に「今日のランニングはどうだった?」と聞くと「ボク、勝ちたくない」という力のない返事。私はどうしてかなとそんな彼の言葉を心に留めていた。

数時間後、子供達がベッドにもぐりこんだ頃、彼らの部屋を見に行くと長男がまだ起きている。「眠れないのか」という言葉に「ボク、チート(ずる)したんだ」とかぼそい声。何か話したそうにしている長男を誘い隣の部屋へ。

話を聞いていると、やっぱりランニングの話。彼によると、ランニングをしている子供達が一周走り終える度に背中にはってあるゼッケンに先生達が、それぞれマークをつけてくれるということ。でも、その場所が混雑していて、一周に対してプラス何度かマークをつけてもらったことがあったとのこと。そのことがとても気になっていて、ボクは勝ちたくない、それで勝って賞品をもらいたくないとのこと。

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彼の話を聞いていて、神様に感謝した。彼の心にそんな思いを与えてくださったことを。そして、彼と一緒に祈った。「よく勇気を出して、パパに話してくれたね」とも彼に言った。そして、とにかく順位の発表を待とうということにした。そして、万が一、彼が賞品を得ることになったら(家内、曰くそれはないだろうということだけれど)、父さんと学校に行って、事情を話して賞品を返そうということになった。

神の受けられるいけにえは砕けた魂です。神よ、あなたは砕けた悔いた心をかろしめられません」 旧約聖書:詩篇51篇17節

彼は大切な学びをさせていただいていると思う。そして、私も。

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勝ちたくない」への6件のフィードバック

  1. 実に、いい話しだ。本当に、いい話しだ。心のたけを解放したい倅の気持ちを汲み取ってやるのは親として本当に大切なことだと思う。全く素晴らしい。
    されどだ、吉川英治原作の「宮本武蔵」の漫画版、「バガボンド」に出てくる沢庵和尚のような顔をしたパスターが(一応、褒めてんだからね)、自分のことを「パパ」と呼んでんのかと思うと、ちょいと笑ってしまうね。

  2. さんぼ
    親は子を育ててはいるんだけれど、それ以上に、親は子によって育てられるんだね。
    あの若き日の私達も親となっているということ。これはスゴイことだよね。お互い育児を楽しみ、自分達も成長させていただきましょ。健闘を祈ります!

  3. たしん
    私も人生38年生きているけど(君もね)、さすがに「バガボンドの沢庵和尚」と言われたことは一度もありません(笑)。そもそも、この「バガボンド」なる漫画も知らずにいたからね。最初、「バカボン」にそんな和尚が出てきたかな、「ラーメン好きの小池さん」なら覚えているけれどなどとしばし、頼りない記憶の引き出しを開けて考えていたんだけれど、よくよく見れば「ド」がついているじゃない!
    やっぱり和尚が舶来の言葉を使ってはだめかね(笑)?でも「お父様」よりはいいだろ?

  4. 「バガボンド」ってのは、「スラムダンク」で名を成した井上雄彦という漫画家(俺らとタメ年だそうだ)の未だ、完結を迎えていない長編である。俺は5巻までしか読んでないけど、20巻ぐらい出ているのではなかろうか。
    ちなみに昭和30年代に宮本武蔵=三船敏郎で作られた映画、宮本武蔵・三部作に出てくる沢庵和尚よりパスターの方が、ずっと男前だ。
    やはりね、10代より、己の一人称に「ワシ」を選んで使ってきた輩が、「パパ」とくれば、ちょいと面食らいますよ。

  5. 吉川英治のあの「宮本武蔵」が原作となっているとは、おもしろそうだね。いつか読んでみたいね。その時に沢庵和尚とも対面してみよう。
    ところで小生は十代から「わし」と言っていたかい(笑)?気がつかんかったよ。これからは子供達に「おとう」と呼ばせようかな(この「おとう!」っていうのがWalmartやTargetで響き渡るっていうのも、なかなか風情がないかい?)。

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