日本に浸かる

IMG_20150621_193352078_HDR息子はいつか家を出て行くだろう。その日は決して遠くはないということを感じながら、その前にどうしてもしておきたいことがあった。そう、息子との二人旅だ。このことを決行するために我々は6月18日にサンディエゴを発ち、東京に向かった。

機内では競うように映画を観た。不夜城の新宿、池袋では向こう五年分の日本人の間を行き交った。魔境、ドンキーホーテの小道を歩き、黒服の兄さん達の間をくぐり抜けた。場末の風呂場ではチャイニーズのおじさん達とサウナで汗を流し、水風呂に浸かり意識が遠のくことを体験した。とんこつラーメン屋では言うまでもなく数度の替え玉をし、バリカタ、カタ、ヤワという今後、彼の人生に必要となるボキャブラリーが加わった。こんな俗世界のただ中にも、あのお方はいるのだということを、いつも心に感じていてほしい。

この旅の第一の目的は川越の施設にいるわたしの母、息子にとっての祖母を訪問することであり、我々は何度も母のもとを訪ねた。息子は彼女の口にスプーンで食事を運んだ。日曜日には息子が聖書朗読、わたしがメッセージを語り、賛美を歌い、三人で礼拝を捧げた。「成長」というものを見ることが難しい環境で、孫の成長を母はどのように受け止めてくれたのだろうか。

我々には米国内に血縁の身内はいない(私の姉はいるが)。私達の訪日に合わせ、都内のレストランに親戚が集まってくれた。また以後、彼は一人で神奈川と大分の親戚・家族を訪ねる。これらの経験を通して、自分は地球の中の孤独な一点ではないということを自覚してくれることを祈る。

かねてから行きたいと願っていたネットカフェで彼はむさぼるように漫画を読んだ。わたしはと言えば、リクライニングチェアーの上でいびきをかいてガーガーと眠っていたようで、さぞかし周りの客には迷惑だったろう・・・。こんな感じで朝から晩まで我々は日本に浸かり、毎夜、それこそ0.1秒ぐらいで眠りにおちた。つづく・・・。

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