昆明

「これからの時代は中国だ」とか、「今、中国はものすごい経済発展がなされている」と聞く。しかし、私は何か釈然としない。

今から15年前に中国の雲南省昆明を旅したことがある。横浜から鑑真号という船に乗り、上海に上陸した。時はちょうど中国の新年を祝う時。大変な苦労をして揚子江を上る船のチケットを手に入れた。その船には観光客は誰一人おらず、船底の三等客室で私はドップリと中国人の日常の中につかった。中国に来る前に同じ東洋人なのだから、漢字があれば大丈夫と高をくくってきたのが大きな間違い。漢字があれども、彼らの漢字と我らの漢字の違いには驚いた。

今はダムとして水の中に消えてしまったが、あの三国志の舞台となった三峡を見ることができたことは生涯の財産となったが、その揚子江から眺める町々の貧しさには心が痛んだ。当時からボチボチと中国の発展をメディアは言っていたが、そんな光景を見てしまった私としては、中国の発展は目覚しいと言われても今でも信じられないのだ。

どうにかこうにか重慶に上陸。ここまでの船旅、七日間。しばらく重慶におり、そこから汽車で昆明へ。寒く、体が完全に参ってしまっていた重慶より南にあるタイに近い雲南省、昆明の日差しの温かさは今でも忘れられない。そして、そこに住む多くの少数民族の人達。どこかで昔、会ったことがあるような、そんな懐かしい顔を幾人も見た。

なぜ、昆明について書いているのか。今日、あることを調べていた時に、この昆明のある雲南省は今、人身売買の地として悪名高いというのだ。雲南省の農業従事者の月収は日本円で3500円ほどだという!・・・!よくこの文を読んで欲しい。これは日給ではない。月収なのだ。これらの貧しさを背景に雲南省は以前から「白菜のように子供を売っている」と言われるほど誘拐・人身売買が盛んな土地らしい。

人身売買組織は調達・移送・売却の三部門に分かれ、「調達」の段階では幼児の値段は男児が1万~1万五千円、女児は四千円から七千円で売られていくという。これを「移送」部門が引き取り、近隣の都市に移動させ、しばらく彼らが育てる。この時、価格は5倍に上昇するという・・・。

中国の経済発展・・・。雲南の農村に住む人達にこの言葉はどう聞こえるのだろう。

マック

追伸:今、中国ではキリスト教徒になる人が増え続けている。それと同時に中国政府からの迫害も絶えない。この国の本当の希望は経済発展にあるのではないと思う。

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