アメリカにいて、日本人である私がとまどうことの一つに「I Love You」という言葉があります。よく街中の公衆電話や携帯電話を切ろうとする人が、その最後に話し相手に向かって、この言葉を言っているのを聞きます。あるいは「Me too」って言っているのです。分かるでしょう、相手のどんな言葉に「Me too」なのか。そう、やっぱり、相手も「I love you」って言っているのね。
昨年、ブラジル、サントスの海岸線を車で走っていました。私は助手席に座り、後にはその時に一緒にブラジルを訪ねた日系アメリカ人夫妻が座っていました。彼らはブラジルでも使える携帯電話をもっていて、私に「これでアメリカにいる奥さんに電話をかけろ」と言うのです。私も家のことが気になっていたので、ありがたく借りて久しぶりに家内と話していると、この夫婦が後ろの席から電話を切る時には「アイ・ラブ・ユーと言え」と繰り返し突つくのです(いったい南米大陸で私達は何をしているのでしょうか)。
結局、私はそのセリフを言えずに電話を切り、今でもこの夫妻に会うとあのサントスの出来事をつっこまれているのです。しょうがない、私は上から下まで日本人なのです(ちょっと考えて下さいな。静まりきった朝のラッシュ時の山の手線で「愛しているよ」とか「俺もだよ」と言って電話を切っているオジサンがいますか。そんな方を見かけたら、私達はスタンディング・オベーションをしなければなりません)。
そして、そんな日本男児の私が渋く(本人だけそう思っている)言う言い訳は「愛という言葉は繰り返し使うと、その効力を失うから」であり、こんなことを言っている私をアメリカ人は誰も相手にしてくれないのです。
マック
追伸:ところで聖書は天のお父さんからあなたへのラブ・レターだって知ってました?